リンクと引用の方針

はてなブログを使う理由

明治大学の公式WEB上には蛭川研究室のサイトがあるが、教育研究用の資料はブログ上にアップするという方針に変えてきた。

第一の理由は、携帯端末の普及により、PC、タブレットスマホなど、異なる環境で表示させるのに、既存のブログを使うのが便利だからである。

その他、ブログ、特にはてなブログを使うのは、下記の理由がある。

  • Google MapやYoutubeなどを埋め込むのが容易である
  • 注釈が自動的に生成される
  • はてなキーワードへのリンクが自動的に生成される
  • Tex形式で数式を埋め込むことができる

ブログで注釈や数式が使われることは少ないが、はてなブログには、こうした細かい機能があり、学術的な文章を書くのに適したサービスである。

外部サイトへのリンク

おおよそ、以下のような基準で他のサイトへのリンクを表示している。ただし、今まで試行錯誤を続けてきたので、すこし古い時期に書かれた記事の場合、この基準とは異なることがある。
 

はてなブログでは、記事をアップすると、特定の単語の文字列の下に薄いアンダーラインが引かれる。これは、はてなブログ独自の辞典である、はてなキーワードへのリンクをあらわしている。

  • 事典サイトへのリンク

文字列が青くなっているのは、外部へのリンクという意味である。その多くはオンライン事典へのリンクである。とくに断りがない場合は、wikipediaへのリンクである。しかし、脳科学事典や天文学辞典など、個別の分野により特化した事典サイトにリンクしていることもあり、その場合にはその旨、明記している。

  • 公式サイトへのリンク

事典サイトへのリンクと同時に、公式サイトへのリンクを張る場合には「大英博物館(→公式サイト)」のように区別して表記している。
 
あるいは下記のように、画像として埋め込む場合もある。
www.oculus.com

  • ブログ内別ページへのリンク

蛭川研究室ブログ内へのリンクは、カギ括弧でくくって「→「オーストラリア先住民美術」」や、「旧はてなブログ版のリンクポリシーは「こちら」をご覧ください」のように表記している。
  
その他、例外的なケースも多々あるが、その場合には適宜、断り書きを入れている。

Wikipediaへのリンクについて

動的なデータベースであるwikipediaには積極的にリンクを張っている。

Wikipediaは(そしてこのブログ自体も)査読や校正を経た学術的テキストよりは記述の正確さを欠いている。しかし、web上の情報は動的であることに特徴がある。推敲・査読を経て完成された文章が印刷され静的に固定されるのではなく、マルチメディアなハイパーテキストはつねに動的に変化しながら発展していく。

また「web2.0」と言われるようになって以降、WEBサイト上のテキストには読者がコメントし、著者がそれに応え、ときにはテキストを書き換えるといった双方向的なコミュニケーションが行われるようになっている。

さらに、wikipediaのようなコンテンツの場合、読者自身が直接テキストを編集することもできる。蛭川はこのブログからwikipediaへリンクを張ると同時に、wikipediaの編集も行っている。記事の新設や大幅な書き換えは行っていないが、明らかな誤りや記述の不足を補うことによって、リンク先のwikipedia自体の信頼性を高める作業も行っている。

なお、はてなキーワードへリンクが張られる単語については、あえてwikipediaなど、他のサイトへのリンクは張らないことにしている。はてなキーワードのページの中にはwikipediaへのリンクがあり、それをクリックすると、wikipediaの該当ページへ移動できる仕組みになっている。

文章の引用

引用は、引用部分を明確にした上で、出典を明記している。

文章を引用する場合、文中に短いテキストを埋め込むときには、カギ括弧で括って引用部分を明示している。長い文章は、枠で囲って引用している。

文章の引用は、著者の本文が主で、引用はそれよりも短いのが原則ではあるが、古典など重要な文献の一部を紹介し、短いコメントをつけること自体を目的にしているページもある。その場合には、抜粋というタグをつけて、自身の論考とは別に分類している。


Magritte (1937). La Reproduction interdite(不許複製)[*1]

出典を示す場合、出典が書籍の場合はAmazonの商品ページにリンクを張ることもあるが、とはいえAmazonで購入することを勧めるという意味ではない。Amazonには関連書籍が表示され、また読者のレビューが付記されているなど、たんなる通販サイト以上の有用性があるからである。

画像・動画の引用

テキストと同様、画像や動画についても、パスワードなしでネット上で公表されているものは、一般に公開されていると見なしている。

これは、著作権についての、いくらか緩やかな解釈であり、議論の余地はあるだろう。しかし、WWW上にアップロードされたものは、人類共通の財産であり、とりわけ研究・教育の用途において、むしろ積極的に共有されるべきだと、前向きに考えることにしている。WWW上にアップされた情報を積極的に引用して、それにコメントをつけて再発信することは、むしろこの共有財産の価値を発展させることだともいえる。

画像や動画についても、長い文章と同様、引用した場合は枠で囲い、出典を明記している。Web上で公開されている画像・動画であっても、いったんダウンロードしてからアップロードしなおすのではなく、直リンクや埋め込みという方式であれば、著作権の問題はないと考えられる。

YouTubeなどの動画共有サイトにアップされている動画自体に著作権の問題があるコンテンツもあり、それをブログで紹介する場合は、たとえURLを埋め込むという間接的な方法であっても問題があるかもしれない。たとえば、上映中であったり、DVDやBDとして販売されている映画などである。こうした映像を授業や研究会で紹介する場合には、DVDやBDを購入した上で、その一部分だけを上映するという方法をとっている。

しかし逆に、過去に放映されたテレビ番組や映画で、他の方法で試聴することが不可能になっているものも多い。その場合には、それらの映像が動画共有サイトにアップされていることには積極的な意味があり、ブログの中で(埋め込み方式で)紹介することには、むしろ積極的な価値があると考えている。

印刷物からの引用

ネット上ではなく、紙媒体で公開されている情報のうち、文章については、上記と同じ方針で引用している。

f:id:ininsui:20180319122110j:plain
セロトニン作動性ニューロンにおける向精神薬の作用機序[*2]

印刷された図表の場合も、非営利の、教育・研究用の情報として、基本的に文章と同様の基準で引用している。


認知能力の遺伝率[*3]

ちなみに、印刷された図表をスマホなどで簡易撮影すれば、すこしは歪みや陰が出てしまうものである。しかし、すこし歪んだもののほうが(意図的な加工という意味ことではなく)オリジナルの完全なコピーではない、ということもできよう。

肖像権

撮影した写真を公開するにあたっては、肖像権の問題が生じる。また、人間が写っている写真や動画を見れば、その人が、どこで誰と何をしていたのかが推測できてしまう。

Googleストリートビューなどでは、人の顔や車のナンバーなど、個人を特定できる部分にぼかしを入れているが、このサイトでは、風景的な写真であれば、そこまで厳密には対応していない。

このブログ自体の著作権

逆に、自分が書いた文章や描いた図表、あるいは撮影した動画をWEB上にアップすることについては、基本的に著作権を放棄することだと考えている。出典を明記していただければ、断りなく引用してもらっても構わない。もちろん、連絡をいただければ、なお有り難いことである。

大学教授としての収入が保証されており、著作物からの原稿料に頼らなくても生活できるがゆえの余裕なのだが、ほんらい学術文化はそうした余裕によって維持され発展するものだと考えることもできる。

過去にアップしたコンテンツについて

ただし、上記に書いた指針は、今までの試行錯誤の中で考えてきたことであって、過去にアップしたコンテンツについては、この指針に対応していないものもあり、これは、今後、修正していきたい。ネット上の著作権は、著作権という概念自体を問い直さなければならない問題であり、私自身にも法律の専門的知識が充分にあるわけではないので、もし、なにかお気づきの点があれば、ご指摘をいただければ幸いである。


2018/03/29 JST 作成
2019/06/09 JST 最終更新
蛭川立

*1:Pinterest

*2:カンデル, E. R.・シュワルツ, J. H.・イェッセル, T. M.・他(編)金澤一郎・宮下保司 (監修)(2014).『カンデル神経科学』メディカルサイエンスインターナショナル, 399. (Kandel, E. R., Schwartz, J. H., Siegelbaum, S. A., Jessell, T. M., Hudspeth, A. J. (2012). Principles of Neural Science, Fifth Edition. McGraw-Hill Education / Medical.)

カンデル神経科学

カンデル神経科学

  • 作者: 金澤一郎,宮下保司,Eric R. Kandel,James H. Schwartz,Steven A. Siegelbaum,Thomas M.Jessell,A. J. Hudspeth
  • 出版社/メーカー: メディカルサイエンスインターナショナル
  • 発売日: 2014/04/25
  • メディア: 大型本
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*3:安藤 寿康 (2014).『遺伝と環境の心理学―人間行動遺伝学入門―(心理学の世界 専門編18)』培風館.