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SARS関連コロナウイルスの抗体検査をしてみたいのだが、まだ十分な体勢ができていないようだ。
抗体検査キットを取り寄せるという方法
原因不明の発熱から回復した後、海外から抗体検査キットを取り寄せて使ってみたという、若い男性とコンタクトをとり、話を聞いた。
保健所や病院に問い合わせても、たらい回しになってしまい、そのうちに、四日ほどで治ってしまったというのである。
自分の血液を一滴ほどキットに垂らすと、10分ほどで、うっすらと「IgG」のバンドが出てきたが「IgM」のバンドは出なかったという。
ネット上ではいろいろな情報が交錯している。むかし勉強した知識を思い出し（→「遺伝子解析は京大ウイルス研で学んだ」）頭を整理する。
検査をするほうも大変だが、検査を受けるほうも大変だ。そもそも病人には、こんな難しいことを考えている余裕もない。
まず、用語の意味から整理しないと、解説を読んでも、意味がわからない。
- 抗原
- 細菌やウイルスなど体外に由来するタンパク質などの分子
- 抗体
- 体内で作られて抗原と結合し免疫反応を起こす分子
PCR（Polymerase Chain Reaction）とは、抗原であるウイルスのDNAやRNAを連鎖的に増やし、検出しやすくするための方法のことである。「PCR検査」というのは、「抗原検査」と同じ意味で使われているようだが、PCRというのは、試料を増やす方法のことであり、紛らわしい。
Igというのは、immunoglobulin（免疫グロブリン）の略称で、抗体の分子のことである。
SARS-CoV-2の感染における抗原と抗体の増減[*2]（BAL液とは気管支肺胞洗浄液のこと）ここでも「PCR」という言葉が［誤って］使われているが、これは「抗原」＝「ウイルス」［の量］という意味
SARSとは重症呼吸器症候群のことであり、また「非典型肺炎」「新型肺炎」などとも呼ばれ、呼吸器系の疾患、というイメージがあったが、じっさいには下痢など消化器系の症状も少なくないようだった。いまのSARS-CoV-2でも、頻度は低いが下痢の症状もみられ、しかも長い間ウイルスの排出が続く[*3]ようである。尿や精液[*4]についての研究もあるらしい。
ただし、すでに死んでしまったウイルスも抗原として検出されるので、活発なウイルスの量はそれよりも少ない。感染力のあるウイルスが排出されるのは1週間ぐらいだから、2週間も隔離しなくてもいいという説もある[*5]
COVID-19の症状と抗体推移[*6]
一般にIgGは何年も持続するとされる[*7]（これは新型コロナウイルス感染症の実績のグラフではない）
IgMのほうが先に増えて減っていき、IgGのほうが後から増えてきて、維持される。だから、IgGだけが検出されるというのは、感染からある程度期間が経って、抗体ができているという意味である。
抗体検査キットを10名に使用した結果[*8]
最初からIgMは検出されず、10日ぐらいしてからIgGが検出されたという研究もある。
抗体ができていて免疫を持っていれば、自分が感染することもなく他人に感染させることもない。とはいえ、それを検査するには発症から二週間ぐらい経たないとわからない。そもそも、外出して病院に行くのなら、二週間ぐらいは待ったほうがいい。
記述の自己評価 ★★☆☆☆
（ここ数日の体験や考察を徒然に書いただけで、内容の正確さに欠く。真剣に議論すべき話題を含んでおり、追って整理したい）
CE2020/05/13 JST 作成
CE2020/06/05 JST 最終更新
蛭川立
*1:免責事項にかんしては「Wikipedia:医療に関する免責事項」に準じています。
*2:「新型コロナウィルス抗体検査」『九段下駅前・池袋東口まめクリニック』（2020/05/14 JST 最終閲覧）
*3:吉尾幸恵 (2020).「COVID-19、糞便でのウイルス検出期間中央値が22日／BMJ」『CareNet』（2020/05/16 JST 最終閲覧）
*4:「精液から新型コロナウイルスが検出 新型コロナは性感染症になりえるのか？」には、精液にSARS-CoV-2が含まれている可能性（孫引き）が指摘されているが、膣内にはACE受容体が発現しておらず、性交以前に唾液などによって感染するほうが確率が高いという。
*5:コロナ、1週間で感染リスクなし？ 隔離2週間は必要か [新型コロナウイルス]：朝日新聞デジタル
*6:マルケス山岡 (2020).「COVID-19（新型コロナウイルス感染症）の抗体検査の遺伝子検査（PCR法）事情」『前略 検査室より』（2020/05/14 JST 最終閲覧）
*7:「感染症検査の特徴」『感染症NAVI』（2020/05/14 JST 最終閲覧）
*8:鄭湧・谷直樹・有水遥子・渡部 遥・深町由香子・米川晶子・岩坂翔・西田留梨子・江里口芳裕・三宅典子・下田慎治・長崎洋司・下野信行・池松秀之・赤司浩一 (2020). 新型コロナウイルス感染症患者におけるイムノクロマトを原理とした抗体検査キットによる血清抗体の検討
