ダパ文字

山地に住むナシ族の一系統であるモソ人は、トンパ文字よりもさらに単純な象形文字、ダパ(達巴)文字を持っている。

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ダパ文字の暦(復元)(2003年4月23日)

ダパ文字はもっぱら暦の記号としてのみ使われる。1月は32日、2月は28日、3月は30日あり、世界共通となっている太陽太陰暦とはすこし異なる。

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http://www.chikyukotobamura.org/muse/img/daba2.jpg
ダパ文字の日本語訳[*1]

身体の部分や動物が大部分である。「女性の生殖器」から始まり「女性の大きい生殖器」に終わる32文字からなる。

日によって吉凶があり、「特大吉」が「男女の性交」「女性の大きい生殖器」で、「大吉」が「女性の生殖器」「女性の膣」「女性の乳房」「北斗星」と対応させられている。いっぽう男性器はふつうの「吉」とされるから、女性の性的身体が重視されるモソ人の社会を反映している。

「女性の生殖器」と訳されている文字は、おそらくは小陰唇を広げた形だろう。それは生殖には関わらない部位だが、文化的に強い意味を持つ。我々の社会では「猥褻」とみなされ、写真をインターネット上にアップすることは違法行為だとさえみなされるだろう。女性が自分で自分の陰唇を広げてみせるのは、たとえばミクロネシアの社会では相手(女性)に対する侮辱の意味を持ち、アイルランドでは呪力を持ち、沖縄ではその呪力で火事を消すことができるとされる。



記述の自己評価 ★★★☆☆
(たんなる解説)
CE2020/05/17 JST 作成
蛭川立

*1:西田龍雄(2001)「ダパ文字(達巴文字)」『世界文字辞典』(言語学大辞典,別巻,三省堂