分子模型 ー丸善とモルタロウー

複雑な有機化合物の構造は、じっさいに分子模型を作ってみると勉強になる。

丸善の分子模型の小型(右上)と大型(左下)
 
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N,N-ジメチルトリプタミン(N,N-Dimethyltryptamine: DMT)

DMTは、IUPAC勧告に準拠する化合物命名[*1]では、3-[(2-ジメチルアミノ)エチル]- インドール(3-(2-Dimethylaminoethyl)indole)となる。インドール核から炭素2個(エチル)を経て、窒素に結合し、その先にメチル基が2個結合している、という意味である。

丸善の分子模型

丸善(販売)のHGS分子構造模型は、教育用のみならず研究用としても使える高品質な分子模型セットである。

丸善日本語のサイトには、新しい学習用の模型しか掲載されていないが、英語版のサイトには、旧型も含めて詳細な情報が載っている。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51j9CXE-I3L._SX384_BO1,204,203,200_.jpg
 
www.amazon.co.jp
学習用の生化学キット
 
www.amazon.co.jp
DNAが作れるだけのセットもある

HGS生化学学習用セットは、1Å=1cmと精密であり、炭素原子が60個入っている。強いていえば、小さすぎて、一度組み立ててしまうと分解するのが難しい。

HGS立体化学分子模型4010学生用セット

HGSのシリーズで同じような小型版もあるが、こちらのほうは原子とボンドのバランスが不釣り合いで、見た目があまり美しくない。

分解したり組み立てたりして勉強し、あるいは、人前でプレゼンテーションするには、もう一回り大きいセットのほうが扱いやすい。

HGS 分子構造模型 B型セット

HGS 分子構造模型 B型セット

  • 発売日: 2007/07/19
  • メディア: オフィス用品

丸善(販売)日ノ本合成樹脂製作所(製造)のHGS分子構造模型B型セット(有機化学研究用)は、炭素原子が52個入っている。ボンドも、微妙に長さが違うものが10種類入っている。

D型セットは無機化学用に使える。

製造元であった日ノ本合成樹脂製作所が閉業したあと、いったん絶版になり、製造元が山田化学になって再版された。新旧の互換性は保障されないとのことだが[*2]日ノ本の旧版のほうが精密だということで、中古市場では活発に流通している。

有機化学学生実習用のC型セットは炭素原子44個入りで、ボンドが色分けされていてわかりやすいが、ボンドが白で統一された色彩感はない。

学習用は研究用とは違い、窒素や酸素のボンドが省略されており、5種類しかない。

モルタロウの分子模型

分子構造模型は、精密に作ろうとするとボンドの長さを微妙に調整しなければならず、煩雑である。いっぽう「モルタロウ」のシリーズは、ボンドの長さではなく原子の大きさによって全体のサイズを調整する方法をとっている。

http://www.talous-world.com/shop/images/shop013b.jpg

http://www.talous-world.com/shop/images/shop009b.jpg

炭素が黒、酸素が赤といったオーソドックスな丸善の色合いに比べると、モルタロウはビー玉のようにカラフルで、たとば炭素が黒ではなく青であり、この色彩には好みが分かれるところだろう。



記述の自己評価 ★★★☆☆
CE2020/09/19 JST 作成
蛭川立

*1:

化合物命名法 (第2版): IUPAC勧告に準拠

化合物命名法 (第2版): IUPAC勧告に準拠

  • 発売日: 2016/02/10
  • メディア: 単行本

*2:詳しい事情は「再販されたHGS分子模型を購入」に書かれている。