【資料】西丸四方『狂気の価値』

躁鬱病プラス分裂病・ある天才画家 私は三十年来、ある女性の画家を知っている。彼女が田舎の公民館で個展を催したときに、偶然出会い、その狂的な抽象画に圧倒されるほどの迫力を感じた。これは物真似でない本当の抽象画だと思って、その画家に会ってみた。…

【資料】田口ランディ『オラ!メヒコ』

長いこと、私はこの手で世界をつかまえたいと望んでいた。世界を自分の手でむんずとつかんで、そしてこの胸にぎゅうっと抱きしめたい。そうしたらどんなに幸せだろうって、そう思っていた。そのことばかり考えて生きてきた。だから、私は追いかけていた。 な…

【資料】田口ランディ『アルカナシカ』

そこに存在するものは一〇〇パーセント現実だった。何一つとして非現実はなかった。つまり見えないものが見えたわけでなく、見えているものが見えているだけだったのだ。 階段を降りて家の裏へと向かう。そして、あの汚いトイレの前に立って、壊れかけた扉を…

精神展開薬(サイケデリックス)

精神展開薬(psychedelics: サイケデリックス)は、単純明快な分子構造でありながら、特異体験、神秘体験、あるいは宗教体験といった強い変性意識状態を引き起こすことから、こうした体験が意外に単純なメカニズムで引き起こされることを示唆している。しか…

神経伝達物質と向精神薬

伝導と伝達 神経伝達物質 向精神薬と受容体 補足:非定型抗精神病薬 神経系を構成する細胞を神経細胞(neuron: ニューロン)という。 伝導と伝達 神経細胞(ニューロン: neuron)の模式図[*1] 樹状突起(dendrite)から伝わった興奮(excitation)が細胞膜の…

中米先住民文化と精神展開性植物

アメリカ大陸の先住民文化の中で、その社会が「国家(state)」といえる段階まで分化したのは、メソアメリカとアンデスの二つの文化領域である。 メキシコ先住民の言語の分布[*1] スペイン人が到来する直前、16世紀の文明[*2] Steven's Balagan -Spanish and…

【資料】水木しげる『幸福になるメキシコ』

水木しげるのメキシコ先住民儀礼体験[*1] 水木しげるの精神展開体験が、氏独特の、薄気味悪く、かつ、どこかユーモラスな筆致によって描かれているが、子宮への回帰という元型的な体験はまた、メキシコ先住民ウィチョールの、ウィリクタへの旅という世界観と…

【資料】中島らも『アマニタ・パンセリナ』

僕はためしに、部屋を少し明るくしてまわりを見まわしてみた。 なるほど、これは少し様子がちがう。 青いもの、スミレ色のものが、それ自体発光しているように美しく見えるのだ。足もとを見れば、自分のはいている靴下の青が、輝いて目に飛び込んでくる。 「…

超心理学という研究プログラム

超心理学は、まだよくわかっていない人間の未知能力を、まず、それが実在するかどうかはいったん棚上げにして、あくまでも実験のための仮説的な概念として、であるが、その未知能力を感覚系と運動系の2種類に分ける。やや些末にはなるが、まず、用語の整理を…

向精神薬の分類 ー民俗分類と医学的分類ー

向精神薬の医学的な危険性 「考えるに適した」民俗分類 課税のポリティクス 「『ダメ。ゼッタイ。』君」(薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」のイメージキャラクター[*1]。) 公益財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターのWEBサイトにある「乱用される薬物」…

中米先住民文化における飲食物の民俗分類

メソアメリカのマヤ系民族はユカタン半島のユカテック・マヤなど、いくつかのサブグループからなっている。ツォツィル・マヤ(Tzotzil Maya)は、主にメキシコのチアパス州に居住する人々である。 ツォツィルの人々が暮らしているシナカンタン村(現地の人々…

【資料】フロイトのテレパシー論

いとしいマルタ ぼくたちのあいだに働いているテレパシー的共感のせいで君は聖霊降臨節をぼくよりもたのしくは過ごさなかったようだね、もしそうだとしたらそれは非常に困ったことだ。(後略) マルタ・ベルナイス宛書簡(1885年5月26日) 恋文の中での戯れ…

興奮するモダン/沈静するポストモダン

コカ・コーラの秘密のレシピ 斯様な薬剤は他に類を見ない 働くことを愛すること コカ・コーラ社が日本人を過労と不眠から救う? コカ・コーラからカンナビス・コーラへ? コカ・コーラの秘密のレシピ アンデスのケチュア人は「嘘をつくな、盗むな、怠けるな…

集合的無意識と共時性 ーユングの著作を中心にー

個人的無意識と集合的無意識 元型 共時性 古典力学と量子力学 布置/星座 臨床の知 付記:ユングの著作とその和訳・解説 Carl G. Jung 1875-1961 「神を信じますか?」と聞かれたユングは「信じる必要はありません。知っています」と答えた[*1]。 星の王子さ…

雲南省の地図

雲南省の衛星写真(Google Maps) 雲南省の地形図[*1] 雲南省の交通図[*2] 雲南省の行政区画[*3] 雲南省の市区町村[*4] 雲南省の民族[*5] drr.ikcest.org 雲南省の地質図[*6](拡大・縮小可能) 記述の自己評価 ★★★☆☆ (雲南省という場所についての資料一覧…

中南米先住民文化と精神展開性植物

中南米先住民社会は、精神展開薬(psychedelics)を含む薬草を呪術的・宗教的に使用する文化を高度に発達させてきた。 精神展開薬を含む薬草を使用する文化の分布[*1]。 狭義の精神展開薬を含む薬草を使用する文化は中南米の先住民社会に偏っている。中米(…

プラセボ効果と象徴的効果

逸話から「エビデンス」へ ある薬(健康食品なども含む)について、たとえば「水素水を飲んだらうつ病が治った」という場合、「私が飲んだら効いた」をはじめ、「少数の人が飲んだら効いた」は証拠にはならない。「多数の人が飲んだら効いた」と、喜びの体験…

【資料】レヴィ=ストロース『今日のトーテミスム』

ラドクリフ=ブラウンの証明は、トーテミスムの反対者も擁護者も、ともに閉じこめられていたジレンマを決定的に取り除く。かれらは生物種に自然の刺戟物か、あるいは勝手な口実というただ二つの役割しか与えていなかったのだから……。トーテミスムの動物たち…

神話の実体化ー丙午現象ー

日本の丙午現象 神話的言説にもとづく象徴的な分類体系は、かならずしも過去の、未開社会・伝統社会だけの観念ではない。日本では江戸時代に、丙午(ひのえうま)=火兄生まれの女は男を喰う悪女であるという俗信が広まった。3サイクル前の1846年には女の子…

向精神薬の呼称【修正・移転済】

hirukawa.hateblo.jp この記事は加筆修正されて上記のURLに移転しました。

実験心理学と統計的仮説検定

霊魂仮説とESP仮説 心の科学と行動主義 PKとESPの操作的定義 コインを投げる→PK 帰無仮説を立てる 有意確率の計算 具体的な計算の例 カードの模様を当てる→ESP 第一種の誤りと第二種の誤り 実証主義と反証主義 霊魂仮説とESP仮説 ある初老の女性が、不思議な…

ヒトの加齢・性周期による配偶行動

女性の性周期 メスの性行動はテストステロンの影響を受ける。ヒト以外の動物では、排卵のすこし前にテストステロンの分泌が高まり、交尾行動を促すことが多い。 ニワトリの排卵前後におけるテストステロン、黄体形成ホルモン、プロゲステロンの分泌量[*1]。 …

パーソナリティと遺伝子

5因子モデル 心理学では、ユングの内向性ー外向性など、様々なパーソナリティの特性論・類型論が論じられてきたが、理論から演繹されたモデルはどれも不十分であり、因子分析による研究が進むにつれ、ゴールドバーグの特性5因子論(big five:ビッグファイ…

化石人類の物質文化と精神文化

物質文化としての石器 言語 精神文化としての芸術と宗教 埋葬 大型類人猿における「死」の概念 洞窟壁画 ヴィーナス像と地母神信仰 「遊び」としての精神文化 現生人類の脳 物質文化としての石器 先土器時代、つまり土器が発明される以前の時代を代表する道…

日照・自殺・殺人

自殺率の地域的な偏り 自殺率の国別統計(2016年)[*1] 自殺率は国や地域によって大きく異なる。自殺の理由もさまざまであるが、社会、経済的な問題が背景にあったとしても、ストレスに対する脆弱性には個人差もあり、うつ病という病気による病死という客観…

認知機能・パーソナリティの小進化

認知能力の小進化 知能[*1]には、人種・民族による違いがあり、およそ、サハラ以南のアフリカ<北アフリカ〜南アジア<ヨーロッパ系<東アジア、という地理的勾配がある。 国別の平均IQ[*2] すこし古いが、2002年〜2006年の統計では、IQが平均の100を上回っ…

ポスト・ホック解析とその周辺

以下の諸「効果」は、「超」心理学でしばしば言及されるものではあるが、心理学全般、あるいは実験科学全般に当てはまるものである。 ポスト・ホック解析 post hoc analysis ポスト・ホック解析( post hoc analysis:事後解析)とは、実験が終わった後にデ…

視床下部の構造

視床下部の構造[*1] 記述の自己評価 ★★★☆☆ (既知の事実をまとめただけの内容だが、三十年前の知見であり、かつ大学生のノートなので、細かい部分では誤っているところがある。) 2019/05/06 JST 作成 蛭川立 *1:蛭川の大学生時代のノート(1989年5月26日)

大脳半球の構造

大脳半球の断面図[*1] 記述の自己評価 ★★★☆☆ (既知の事実をまとめただけの内容だが、三十年前の知見であり、かつ大学生のノートなので、細かい部分では誤っている可能性がある。) 2019/05/06 JST 作成 蛭川立 *1:蛭川の大学生時代のノート(1989年5月25日)

脊椎動物の脳

脊椎動物の脳の断面[*1] 記述の自己評価 ★★★☆☆ (既知の事実をまとめただけの内容だが、三十年前の知見であり、かつ大学生のノートなので、細かい部分では誤っているところがある。) 2019/05/06 JST 作成 蛭川立 *1:蛭川の大学時代のノート(西暦1989年5月1…